Concept

 建築の価値を構成する3つのエレメントは、用(機能性)・強(耐久性)・美といわれます。
デザイン優先で使い勝手が悪いという言い方をよく聞きますが、この場合、最低限の“用”を満たしていないのですから、美しい建築となりうるはずがありません。
それと同時に、使い勝手の良い強い建物を造るだけで、そこに美に昇華しようとする意志がなければ、こんなに設計も施工も簡単な事はありません。
ただし、その場合、この建物は“建築”ではなく魂の抜けた単なる“ハコ”になってしまうでしょう。

 “用”とは、単に使い勝手が良いということだけでなく、“明るさ”“優しさ”“緊張感”“非日常性”“厳粛性”“周辺環境との調和”などその空間に求められるもの全てだと考えます。“強”とは、単に構造的に強度が十分であるということだけでなく、“耐汚染性”“耐漏水結露”“メンテナンスの簡便性”などその建物が永年成立していく上で不可欠なもの全てだと考えます。そして、それらの要素を美に昇華する意志を持って展開していくことがその建築の価値につながると考えます。

 この用・強・美は、自然界の全てのものが備え持っているものです。
だから、このいずれかが欠落すれば、自然界に調和せず、その建築は、品のないものとなり、人々に不快感を与えるでしょう。
ガウディが自然を手本に建築を創造したというのは、そういうことではないかと考えます。

 また、最近では経済性も建築を評価する上で大きな要素だと思います。
限られた予算の中で最大限の価値を創出するために、安い材料を効果的に使ったり、施工者との協議の中で安くする方法を考えたりということを徹底的にやります。
時には現場に出て、コンクリート彫刻を私たち自ら製作したりもしています。